4月私の中のおすすめ書籍ベスト5!
〜はじめに〜
今月は多岐にわたるジャンルを20冊ほど読めた。どの作品にも新たな発見のあるものや、心動かされるもの、自分の意識を変えてくれるものなど多くの刺激を受けた作品が多かった。
そんななかでも私個人でこの作品と出会って、読んで良かったと思わされた作品ベスト5を発表しようと思う。ここにあげる作品は私が胸を張って皆におすすめする書籍である。どの作品も良書という事を踏まえ、あなたの本選びの一助になれば嬉しいです。
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〜オススメ本ベスト5!〜
第5位
心淋し川/西條奈加 集英社
○おすすめ理由
この作品は私に読書を楽しませてくれた作品となった。なぜ、そのようなタイトルをつけたのか。なぜ、ここにはこのような人々が集まっているのか。という点が読み終えた後にとてもしっくり来たことでこの作品の主題がはっきりとした。
そのため読み終えた後「この話はこういう事だったのだな」と改めて考えさせてくれる作品であった。
このように作者がどんな想いでこの作品を書き、タイトルをつけたのかという部分が少しでもわかると、楽しくさらに気持ちよく読書ができる。そのような読書の楽しさをひとつ見つけた作品であった。
○作品概要
第164回の直木賞も受賞した作品であり、読書を定期的にする人であれば読んでいる人も多い作品なのではないだろうか。
話としては
心町(うらまち)という場所に流れる心淋し川。その周囲に住む6人の物語。1人1人に壮絶な過去やここに住む理由があり、皆その想いをを溜め込んでいる。その人々がこの町でどのように暮らしてゆくのか綴られた作品である。
前に感想を書いた感想記事はこちら! 「心淋し川/西條奈加」を読んでの感想
○おすすめ出来ない人
「時代にあったモノや人の古風な名称や言葉」に抵抗のある方。
だろうか。私はそれこそ良い部分だと思ったのだが、そのような言葉に抵抗のある人もいるのかもしれないと思い、この点を挙げさせてもらった。
第4位
「お探し物は図書室まで/青山美智子」 ポプラ社
○おすすめ理由
この作品は本当に仕事をしている人に読んでいただきたい作品である。特に目標・モチベーションを失い、自分はなんの為に働いているのだろうや、何か変化が欲しいという方にはぴったりな作品だ。
作品の内容としても面白く、登場人物である不思議な司書には、その人柄や立ち振る舞いに引き込まれてゆく力がある。この作品は、私が読んでどうのこうの、というよりは多くの人が読んで損のない作品であると私は思っている。
人に勧める本筆頭の作品である。
○作品概要
2021年4月14日発表の本屋大賞第2位を獲得した作品。全国の書店員さんがこの作品を知って欲しいと思っている作品として第2位を記録した作品である。
話としては、
老若男女5人の人々それぞれが仕事に関係する悩みがあり、図書館を訪れる。そこで司書に出会い、本を紹介してもらうと、その彼、彼女らに変化が起きてくるという物語だ。
前に書いた記事はこちら! 「あなたの人生と仕事価値観を変えてくれる『お探し物は図書室まで/青山美智子」を読んでの感想
○おすすめ出来ない人
これをおすすめ出来ない人という方を見つけるのが難しいが、あえて言うのであれば仕事のことについてまだ多くのこと考えていない、経験していない学生であろうか。
学生には少し想像がし辛いという点で、おすすめとしての対象にならないと思うが、将来を考えるうえでは読んでいて損はないと思う。
第3位
お金の大学/リベ@大学長 朝日新聞出版
○おすすめ理由
今の日本がもし義務教育課程や高校以降の教育において、「金融の授業」があるとするならば、この書籍が教科書と使われるのではないだろうか。それほどに読みやすく、誰にでも分かりやすく記されている。
読みやすい理由として大きなポイントは「内容がカラー」で書かれ、さらに「文字数の少ない」ところにある。分かりやすいよう図が多く入れられており、読み疲れをしない勉強の書といった感じだ。
今後必ず必要となってくる知識であると私は思っている。「お金」について興味がない人でもこの書籍だけは買って読むべきであると私は思う。最低この1冊は読んでおいて欲しいという書籍だ。
○作品概要
「お金」の勉強といってもこの書籍は「お金がざくざく儲かる方法教えます」という胡散臭い書籍ではない。
5つの力である
①貯める力
②稼ぐ力
③増やす力
④守る力
⑤使う力
を中心に記載され、①では生活の質を落とさないような貯める力を提案してくれていたり、税金の基礎的な知識をわかりやすく教えてくれたりと、この書籍を買った人の無理とならないような知識と技術を提供してくれている。
この書籍の多くはいくつもの道を提案してくれているため、あとはあなたがどのような行動をとるか次第である。知識だけを入れるもよし、新たな道を歩もよしなどだ。何よりも不安というものは無知からくるものが大半である。
最後にひとつ豆知識としてこの作品がなぜこの価格で売られているのかという理由にある。著者である両学長は印税を放棄している。これは動画内で本人が言っていたことだ。そこまでしてこの書籍を売って伝えてたいということだ。もちろん両学長にもメリットがある上でのこの判断であると理解している。
それを踏まえたうえでも買って損のない書籍であると私は思う。
これについて感想を述べた記事はこちら!「お金の大学/両@リベ大学長」を読んでの感想
○おすすめ出来ない人
「金融の知識に長けている人」だと思う。私のようにお金に対して無頓着で何も考えてこなかったという人には多くの学びがあるだろう。
しかし、元々金融の知識があり、マネーリテラシーの高い方には、物足りないという人が多いのではないだろうか。この「お金の大学」は入門書というポジションにある書籍なのではないかと思う。
○第2位
愛するということ/エーリッヒ・フロム 紀伊国屋書店
○おすすめ理由
私の多くの「愛」についての疑問を明確に言葉にしてくれた作品。
今多くの人が「愛される方法」に執着する時代。
それは自由の愛という新しい概念によって、「能力」よりも「対象」の重要性が大きくなったことにある。
だからこそ、相手に求めることは大きくなっていくのだと思う。
この「人に選ばれるため」という思考を一度原点回帰し、「人を愛する能力」について考えてみてはどうだろうか。私はこの書籍を読んだ上で「愛」について考えさせられたと同時に、与えられる人になりたいと思った。それは「愛」においてもだ。
そちらの方が将来を見たとき私は満足度が高く、幸せになれるような気がしている。
そんなことも同時に考えさせられた書籍であった。
結婚している人や彼女のいる人、恋愛ってなんだっけ?という人、子供にかける愛情ってなんだと疑問に思っている人など愛にまつわることを考えたい場合はこの書籍がベストかもしれない。私は心の底からこの書籍を読んで良かったと思っている。
○作品概要
60年以上読み継がれている「愛」の書。この書籍は「愛は技術である」という一貫した考えで書かれている。愛が技術である以上人は愛について学び、努力をしなければならない。
この「愛」についても恋愛に限らず、友愛や母性愛さらには神への愛までもが綴られている。愛について学ぶにはとても良い書籍だ。
前に記載した感想記事はこちら!「60年以上読み継がれている「愛」の書『愛するといいこと/エーリッヒ・フロム』を読んでの感想」
○おすすめ出来ない人
後半や途中の文章が聖書に基づいて考察されているため、内容が入ってこないという人が多いかもしれない。
これにおいては、中盤まででも良いから読んで欲しいというのが私の意見だ。
読書は最後まで読まずとも、読みたくなるタイミングが来ると思っている。実際に読書好きな方も積読(つんどく:読むことなく積んだままにしている状態)している人も多い。
読書に対するハードルを上げすぎず読めるところを読めば最初はいいと思います。
第1位!
サラバ!/西加奈子 小学館文庫
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○おすすめ理由
私個人の中一番衝撃を受けた作品であった。他の作品は読んで良かったと思ったが、この作品は”なんで読んでいなかったんだ”と後悔した作品であった。そして読み終えた後、これを超えてくる作品と出会えるのかと不安になった作品でもあった。
今のところ私の読書史上で最も印象に残る作品である。(ちなみに大した読書歴はない笑)
何より作者の熱量が最初から最後まですごいのだ!
○作品概要
「僕はこの世界に左足から登場した。」
という言葉から始まるこの作品。この生まれた主人公の彼の半生が綴られている作品である。主人公の1人称視点から転勤族で優しい父親、真っ直ぐで自分の意思が強い母親、破天荒で問題児の姉との生活が映し出される物語。
この作品の主題となっているものは「信じるとは?」だ。
そんな中とても印象に残った言葉がある
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」
という言葉である。
この言葉で送るにあたって大事な部分はその人が無意識であるということだ。自分と他人を比べ自分がどう動くかをその人基準に考えてしまう。それはその人に動かされているのと同じである。
その選択が自分で選んだものであれば良いだろう。ポジティブな思考としてこの人のようになりたいという思考であれば、それはその人自身が信じ行動したものである。
しかし人の目を気にしての行動は常にこの行動をとっている事となる。これは信じるものを自分で決断できていないという事と同意だ。そしてこのような人に特徴的なものとして周囲から見て「いい人」という印象であろう。
そのようなことも考えさせられた作品であった。
前に記載した感想記事はこちら! 作者の熱量が心を動かす「サラバ!/西加奈子」を読んでの感想
○おすすめ出来ない人
3部作という長編なため、普段読む人でも、読まない人でもとてもハードルが高いのではないかと思う。
しかし、上巻さえ読み始めてしまえば多くの人が下巻まであっという間に読み終えてしまうのではないかと思っている。それだけこの作品の没入する感覚は凄まじかった。
もちろん普段読まないという人にはいくつものハードルがあると思うが、少しでも読書への耐性がある人であれば読めてしまう作品である。普段読書をしないという人は別の作品にて慣らし、チャレンジして欲しい作品である。
きっとチャレンジするとなんであんな気合い入れてたんだと考え直すと思う。
番外編
リジェクション 心臓と死体と時速200km/佐藤まどか 講談社
○おすすめ理由
20冊読んだ中で唯一私が泣かされた作品だ。とても読みやすく普段読まない人へおすすめの作品なため番外編にて紹介した。
それだけである。(笑)特にお母さんの立場にある人はこの作品を読むと涙腺が緩むと思う。
前に記載した感想記事はこちら! 「リジェクション 心臓と死体と時速200km/佐藤まどか」を読んでの感想