エッセイ

新たな時代を感じさせられる「天才の根源/てつや」を読んでの感想

天才の根源

単行本版

1,430

kindle版

1,287

〜はじめに〜

角川武蔵野ミュージアム近くのところざわサクラタウン内にある「ダ・ヴィンチストア」にて購入したこの作品。前々から同じ東海オンエアメンバーの”虫眼鏡さん”の書籍を読みたいと思っていたのだが、なかなか私のよく行く書店には置いていなかった。

先に出会ったのは東海オンエアリーダー”てつやさん”の作品であった。本の天・地・小口部分が全てオレンジに染められた、いかにも彼らしさのある書籍に仕上がっているという印象であった。

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〜こんな人におすすめ〜

  • 東海オンエアが好きな人・知っている人

有名な人のエッセイというものは基本的にその人を知る人でないと楽しさは半減してしまうように思える。そのため今回のおすすめ理由はいつもよりインパクトに欠けるが、この「おすすめ」に書いた通り、東海オンエアについて知っている人であればかなり楽しめる作品なのではないかと思う。

この作品のおもしろさ普段の”てつやさん”と違った部分が見られるところにあるように思える。これを書いている時のバックグラウンドを想像するだけでいつもとのギャップを感じるのである。

〜作品の概要〜

作品名:天才の根源
著者:てつや
出版社:KADOKAWA
発売日:2020年12月18日
ページ数:287ページ
○読み終えた時間:4時間程

著者について

YouTubeにてチャンネル登録者数584万人(4月22日時点)を誇る6人組YouTuber東海オンエア。

動画を上げるたびに当たり前のように100万回再生以上を叩き出し続けているYouTuberだ。そんな中でリーダーを務める”てつやさん”の初のエッセイ。

現在ネットビジネスとして日本でも大変、人気のあるYouTuberとして、大成功を収めている彼にどのような生い立ちを経て、今の「天才」と言われる地位を手に入れたのか。そんな事が書かれている書籍である。

目次

はじめに

  1. 第1章 危うくまともに育つところだった
    ー性格の根源
  2. 第2章 与えられなかった二物
    ー生活の根源
  3. 第3章 ロッカーからホテルまで
    ー恋愛の根源
  4. 第4章 常に一目置かれたい
    ー人生の根源

終わりに

大まかな概要

この作品は目次を見てわかるように、4つの彼を構成する根源が記された書籍である。

性格・生活・恋愛・人生と大きな括りにて彼がどのような考えで学生時代やYouTube時代を過ごしてきたのか。そして今現在にどのようにその考えが生きたのか。という内容が綴られている。

感想

 この作品のここがすごい!

時代の変化を感じる彼の生き方

YouTubeも今となってはかなり大きな媒体となっているが、ほんの数年前まではYouTuberって何?という状態であった。
実際にYouTubeの動画投稿をすることが仕事となるという事を最近まで理解できなかったという方も多いのではないだろうか?

そんなYouTubeで日本内トップレベルの登録者と視聴回数を達成している東海オンエア”てつやさん”のこれまでの人生というのはとても興味深かった。

新しい時代をなぜ感じたのか
それは彼が世間一般的に見ると欠点であるように見える部分が多すぎる、分かりやすく言うと「だらしない」という印象が最も近いのではないだろうか。そんな中でも「朝起きれない」というのは雇われた身や会社員などには致命的な欠点となる。

このとても小さく見える欠点でも同じ事が継続してしまうと、会社をクビになる可能性もあれば信用さえも失う欠点となってしまう。その後社会不適合者などと周囲に言われることさえあるかもしれない。この社会不適合者という言葉は、いわゆる社会にとっていらない人という意にもとれる。

私も少し前の時代であればこの人は社会にでて生きていけないなと思っていたかもしれない。しかし、現在の時代はそれさえ武器になってしまうのだなと感じさせられた。更に誇張して言うならば、「ひとつのアイデンティティー」としてこの言葉が使われる日も来そうだなと思わされたほどだ。

 

 印象に残った言葉

『世の中の人「向いてない」って諦めるの早すぎ説、あると思うのです。』

自己啓発系の書籍を多く読んできた人であれば、またこの言葉かと思わされる程よく読んできた言葉なのではないだろうか。

もう一つこの作品に出てくる言葉として

「土俵に上がった人だけが、スタートラインに立てる」

も同様によく見かける謳い文句であるように思える。

こう言っているがひとつ勘違いしてほしくないのは、「他の人が書くような同じ事ばっかり書いて」と悲観するのではなく、目標や夢においてこの思考と行動がどれだけ重要かというところに着目されるべきである。多くの人が言葉に出す、記すという事は多くの人が重要であると考えているという事である。

多くの自分の目標を達成してきた人はこのように思考し行動を続けているという事だ。皆がわかっている事であるが実際に自分ができているのかというとそういう訳ではない。彼が多くの人は諦めるのがはやすぎると感じているのだ。

継続はひとつの重要なスキルであるという事だ。

 最後に

とても正直な話をさせて頂くと全くと言ってよいほど期待をしていなかった作品であった。(笑)
なぜ買ったのか?単純に東海オンエアが好きでよく見るYouTuberであったのと、あそこまでチャンネルを大きくできた理由が気になったという点で購入した。

また、期待をしていなかった理由としては彼の動画内のキャラクター性もあるだろう。ただ動画を見る画面上だけでは、彼が多くのことを考え行動しているようには見えないのだ。そのキャラクター性とこの書籍のギャップはひとつの見どころなのではないだろうか。

これは東海オンエアを知る人が読むと特に面白く感じるであろう。逆に知らない人にはあまり楽しめるものではないかもしれない。個人的にはそう思った作品だ。
特にこのような著名人のエッセイはその人を知らなければ面白さは半減するものであると私は今回読んでいて思った。

しかし、東海オンエアを知っている人には、多くの楽しみがあるのではないかと思う。ここでは画面上とまた違った”てつや”が見られるであろう。

この作品にもうひとつ私にとっておもしろい彼の思考があった。それは「やりたくないものはやらない」「やりたいころはすぐにやる」という思考であり、それを実行し続けてきたという点も彼のおもしろい部分であると思った。