エッセイ

逆境を力に変えていった努力の人「ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある/西野亮廣」を読んでの感想

ゴミ人間

単行本版

1,540

kindle版

1,386

 

〜今回のブログ記事要約〜

絵本作家として新たな事を始めた西野亮廣を理解してくれる人は誰もいなかった。そんな事がモデルとなった映像作品が「映画 えんとつ街のプペル」であった。

この「ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある」という作品は彼が絵本作家としての道を開拓し始め、映画の公開準備が整うまでの彼の歩みが綴られたエッセイである。

多くの人は”西野亮廣さん”が「何をやっているのか分からない」という理由で怪しい、怖いなどの疎外感を受けていた。理解できないという現象を人は拒み、否定するという行動を取るようだ。

そんな彼は現在絵本作家として新たな道で成功をおさめ、皆が分からないうちに成果を上げたためなんか分からないけどすごい人センスのある人と世間のイメージは転換されているように思える。

しかし、この書籍を読むと彼は「努力の人」もしくは、「逆境を弾き返すために行動ができるパワーのある人」というイメージに私はなった。彼はとても苦労と時間をかけて今現在の成功に繋がっているのだと納得させられた。

〜はじめに〜

この書籍も「ダ・ヴィンチストア」にて購入。彼のエンターテイメントに対する考え方が好きで気になり購入した。(正直な話サイン入りにも惹かれました笑買った事なかったので)

この作品を読み終えた後、どうしても「映画 えんとつ街のプペル」を見に行きたかったため、すぐにチケット予約し次の日に見に行った。その感想も今回は記載した。

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〜こんな人におすすめ〜

 

  • えんとつ街のプペルを見た人
  • 彼の絵本を売るためにとった戦略を知りたい人
  • 夢や目標が周囲の人に恥ずかしくて声に出して言えないという方

「えんとつ街のプペル」を見た人であれば、映像作品として見たプペルを楽しめ、その後この作品でバックグラウンドを知るまた違った視点で映画を楽しめるのではないかと思う。私も先に映画を見とけば良かったなと思った。

そしてこの「映画 えんとつ街のプペル」では夢を話すと笑われたり、怒られたりなどいわば”西野亮廣さん”が経験してきたことがモデルになっている。そんな人にも力をくれる映画であり、本人視点の事が綴られているこの書籍も、勇気をもらえるのではないかと思う。

この作品では「えんとつ街のプペル」を作る際のバックグラウンド以外にも、どのような作り方をし、広告戦略をうったのかということも書かれている。これはクライアント言われたという点もあるが前に書かれた「革命ファンファーレ」にも同じように綴られていたように思う。

〜作品の概要〜

作品名:ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある
著者:西野亮廣
出版社:KADOKAWA
発売日:2020年12月18日
ページ数:248ページ
○読み終えた時間:3時間半

著者について

西野亮廣(にしのあきひろ、1980年7月3日は日本のお笑いタレント、絵本作家、著作家。)
漫才コンビ・キングコングのツッコミ担当。相方は梶原雄太。絵本作家としてのペンネームはにしの あきひろ。

私世代の人ならばキングコングとして”はねるのとびら”を見て知っている人も多いだろう。また、絵本作家となったという点でもTVにて大きく取り上げられていたため、今現在どんな風なことをしているのかというのは知っている人も多いのではないだろうか?

〜大まかな概要〜

最初にどのような経緯で「えんとつ街のプペル」ができたのか。そして自身で作った作品をどう育て映画となるまでに至ったのか。それらの事が綴られた作品であった。

この作品の一番の目的はプロモーションであった。どうしても見てほしい。私が子どものように大切に育て作り上げた作品を多くの人に見てほしいそんな想いで書かれた書籍である。

〜目次〜

  • はじめに
  • 山に登って絶望をみた
  • 育児放棄をした過去
  • 巡り巡る物語
  • 信じ抜くんだ。たとえ一人になっても。
  • ファンとは何か?
  • 時代が変わった日
  • 僕らが起こした事件
  • 「面白い」を基盤から作る
  • 鳴り止まないエンターテイメント
  • 「映画 えんとつ街プペル」の製作総指揮を務める覚悟
  • 忘れないように、忘れられないように
  • 100年に一度のウイルスに襲われた挑戦
  • 日本中から笑われた夢がある
  • ゴミ人間

感想〜

 この作品のここがすごい!

  • 西野さんの想いだけでなく、オンラインサロンメンバーとして応援・参加しているメンバーの想いまでもが乗っかる書籍。

この書籍は大まかな概要にも記したとおり、「映画 えんとつ街のプペル」のプロモーションも含まれた書籍である。それは本人が語っている。

『僕らのような何の実績もない弱小映画に潤沢な宣伝費は用意されていません。よって、「映画公開に合わせて『エッセイ集』を出して、本屋のお客さんに映画のことを知ってもらおう!エイヤー!』という涙ぐましい戦略を強いられています。

と綴られている。

それを踏まえたうえで、彼のこの映画を見てほしいという熱量と、応援してくれているオンラインサロンメンバーなどの声が書籍内に記され、皆でこの映画を完成−公開−映画館で見るという流れが一つの目標、夢となっていた。

そのようなサロン内のメンバーの声もこの作品内に少し綴られているのである。これがまた映画を見てくれという熱量を高めている要因ともなっているように感じた。作り手の意見だけでなく周囲もこのように応援してくれているというのは、この作品を見た人であれば少し見たいと思った人であれば肯定感が生まれるのではないかと思う。

 映画を見た感想

渋谷HUMAXシネマへ

プペル

書籍「ゴミ人間」を読んで次の日には映画館へ。

大まかな概要としては

真っ暗に空を覆う黒い煙でこの街に住む住人は青い空を、輝く星を見た事がない。そんな街で空を見続ける少年がいた。その少年は星が、青い空があることを信じ、空を見続けていました。少年のその夢は周囲に理解されず彼はそのことを周りに言うことをやめました。そこに突然現れた「ゴミ人間 プペル」彼は周囲の人に怖がられ、臭いと言われ孤独でいた。そんな2人の物語。少年の夢はいつの間にかプペルの夢ともなり行動してゆく物語であった。

話の内容としては上記の通りだ。とても素敵な世界観と音楽だなという第一印象をうけた。ストーリーに関しては西野亮廣がモデルとなっている為ある程度は予想していた。そこを知らない状態で見た方が良かったのかなと思った。どんな作品でも先が見えているストーリーは少し引いて見てしまう為だ。

だからこそ驚きのストーリー展開などはないように見えてしまった。素直に楽しめなかったと言うのが率直な私の感想だ。

感動した点もおかしいことになっていた。映像が動き始めた瞬間と、映画終了後キャストが上から下へ流れていく中で流れるプペルのエンディング曲の際に感動をしたのだ。
バックグラウンドを知った状態で映画を見るとなぜか私も映画の製作者側の気持ちに立っていた。変な話だ(笑)そんな風に映画を見た事がなかった。

しかしつまらなかったという訳ではない。

私が楽しんだ点はバックグラウンドが見えていたからこそ、どのような想いでこの作品のキャラクターが動き、声が・魂が吹き込まれ、ストーリーが組まれたのかという点だ。そう考えると皆に伝えたい彼の想いというのはとても伝わるストーリーの内容であったと思う。

えんとつ街は閉じられた世界であり、外からの刺激もない。そんな中で外に世界があると信じている少年。当然周囲は「やめておけ」「まだ言ってるの」などの冷たい声。彼を応援するものなどいない。新しい事や真実であっても自分の「知らない事」「都合が悪いこと」人にとって受け入れ難いものなのである。

それはとても強い向かい風だ。

しかしその向かい風はある時追い風と変化する。それは彼のことを理解できた時や何かその人に期待や希望が見えた・面白いと思えた時であろう。努力の向こう側だ。

そして最後に向けてのシーンはまさに西野亮廣さんの現在を表しているようだった。

 最後に

はじめにも言ったが「彼は継続した努力ができる人」である。芸人でも、絵本作家でも成功した彼はなんでもできるイメージに世間はなっているかも知れないが、それ相応の努力を彼はしていると分からされる。

自分の作った作品を人に任せて売ると言うことを育児放棄と比喩し、売るという作業を人に任せていたことを反省し、自身で愛し、育てていくという行為をしてゆく話はとても興味深かった。

アーティストなどにも通づることがあるのではないだろうか?

自分の作品を「売る」という作業は人に任せてしまう事が多い。それは専門の人に任せるという選択肢でもあるが私が今回映画に「えんとつ街のプペル」を見に行った理由は彼の「この作品を見てほしい」という熱量にあった。

彼はとても見た目も整っており、絵も描けるセンスもあるがそれとは別に、泥臭く、愚直な面も持っているように思う。とても「面白い人だな」と私は思う。