ふくわらい
〜はじめに〜
少し前から気になっているこの作家さん。
前に拝読した「 i 」も、とても印象に残っている作品である。
〜大まかなあらすじ〜
主人公の女性、「鳴木戸定(なるきどさだ)」の小さい頃の生い立ちから、
大人になり書籍編集者として務めている中での出会い。
また出会いによる彼女の変化や成長。
そして幸福と衝撃のラスト。
〜感想〜
とてもインパクトのある主人公。
名前だけでなく生い立ちや性格・行動・容姿。全てにインパクトがあるのだ。
これほど濃ゆく存在感のある主人公は、最近読んだ小説作品の中でもいなかった。
とても突き抜けているのだ。
†
彼女の歩んできた人生の道のりはとても私には想像し得ない程に変わっていた。
申し訳ないが彼女がきっと近くにいたとしたら「変なやつ」という一言で全てを片付け、
関わろうとしなかったのではないかと思ってしまうほどである。
きっと私以外にもそう思う人はいると思う。
†
しかし、私のその考えは拝読してゆく上で大きく変化させられた。
読み進める度に彼女へ抱いていた、
理解し難いという怖さや拒否反応は興味へと変化してゆくのを感じた。
そしてその興味の先に、彼女が私の中で印象がどう移り変わったのか?
の答えは「純粋」であった。
†
そう思えたからこそ、この作品の後半になるにつれ、
彼女の一歩一歩の歩みや幸福が、
私の心を緩め「がんばれ」の一言を送りたくなるような
気持ちにまでさせられたのだ。
†
そして最初にも記載した通りの衝撃のラストシーン。
このラストにおいては「何故?」という気持ちが大きかった。
しかしそう思いながらもなんだかわかる気持ちにさせられるのだ。
†
最後のシーンにおいてはまだ私の中でも整理がつかず、答えも出ていない。
この作品を読んだことある方々の意見が気になる所である。
とにかくこの衝撃のラストシーンを体感していただきたい。
そしてあなたがどう思ったのか教えてください。
私も再度考えたいと思う。読んでいない方は是非読んでみてください。