Jazz It Up!
マンガまるごとジャズ100年史
ずっと興味のあった「Jazz」というジャンル。私はとことん「アフリカ系アメリカ人」「黒人」さんの音楽が好きだ。
その中でも音色が好きなJazzというジャンル。私は7thや9thなどの安定した音にアクセントとして哀愁感や深みのある音が入っている形がとても好きなようだ。だからこそJazzやR&Bなどの曲に熱中しているのだと思う。
しかし熱中していると言っても、私には全くそのジャンルに対しての知識が無かった。そこでこの作品を読もうと思ったのだ。元々このブログを始めた時点で、音楽のジャンルは学んでいきたいと思っていた。
ようやく最近、図書館を利用し始めたことで、音楽についての作品を読みやすくなった。
そのためこのジャンルに入ることができたのだ。
まずはこの作品を紹介しよう。
〜こんな人におすすめ〜
- 音楽を聴きつつ読書を楽しみたい人
- Jazzに興味はあるけど何を聞けばいいか分からない人
- Jazzの歴史を知りたい人
音楽についての書籍を読むときの大きな利点は音楽を聴きながらでも集中して読むことができるという点ではないだろうか。
私は基本的に文学作品を読む際に、音楽を聴いてしまうと、どうしても音楽に引っ張られてしまい、集中できない。
しかし、この書籍には多くのJazzのアーティストが紹介されている為、YouTubeにて調べ聴きながら読んでいたが、耳で聞く音楽と視覚で確認する情報がリンクしている為か、とても集中ができた。
またJazzというジャンルが楽器のみでの構成されているものが多く、ボーカルもこの書籍では紹介されても英語圏のものが多い為という理由もあるだろう。
音楽と読書を楽しみたい人には打って付けなのではないだろうか。
また先ほども伝えたが、この書籍には多くのアーティストとその人が作ったアルバムが紹介されている。歴史を振り返っているため、とてもJazzという分野のメジャーな方々の作品なのであろう。しかもこの作品に書かれているJazz作品はほとんどYouTube上に上がっている。
誰でも気軽に聴くことができるだろう。
〜作品の概要〜
○著者:南武成
○翻訳者:鈴木眞由美、加藤祐子
○出版社:講談社
○発売日:2008年8月29日
○ページ数:328ページ
○読み終えた時間:5時間程
〜著者について〜
南 武成(ナム・ムソン)
ジャズ・ジャーナリスト。1968年、韓国ソウル生まれ。1997年11月、韓国初のジャズ専門月刊誌「MM JAZZ」を創刊、99年1月まで発行人兼編集長。その後、コンテンポラリー・ジャズ・マガジン「Doo Bop」に活動の場を移し、2001年1月まで編集長を務める。また韓国人ミュージシャンのジャズ部門賞“Doo Bop Award”の創設、韓国での各種ジャズ・フェスティバルや公演の企画・主催や国内ジャズ・ミュージシャンのCD制作、プロデュースなど、韓国内でのジャズのメジャー化に取り組む。05年から日本のジャズ専門誌「スイングジャーナル」誌上で3年間にわたり、絵と文を自ら手がけた「マンガで読むジャズの歴史 Jazz It Up!」を連載(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです
引用:アマゾン販売サイト
〜大まかな概要〜
Jazzの歴史が、ニューオリンズで生まれた1910〜1980年にかけて記されている。最初の1910〜1925年まではニューオリンズJazz全盛期として記され、それ以降は10年ごとに歴史が語られている。
Jazzの歴史はアーティストと共にあり、その時代時代で功績を残したメジャーな人々によって、歴史が語られている書籍となっている。
〜感想〜
この作品のここがすごい!
- お気に入りのアーティストやジャンルがわかる。
名だたるJazzアーティストが紹介されており、しかもその8〜9割がYouTubeで視聴できてしまう。アーティストの紹介と共にその音楽を視聴すると自分がどの時代のどのジャンルが好みなのか分かってくる。
ちなみに私はモダンジャズ時代の「Cool Jazz」「Hard Bop」というジャンルの音楽が私好みであった。またその後出てきた「ボサノバ」や「ファンク」も私の好きなジャンルだということが、この書籍を読んで分かった。
そしてどのような傾向の曲調が好きなのかも少しながらわかった。
私は元々「ピアノ」と「サックス」の音色が好きだ。それを踏まえた上で、少人数で構成されたグループが好きなのだと実感した。
そういえばクラシック音楽なども少ない楽器数のものが私は好きだなと改めて思った。この作品を読み、曲を聴くと、自分がどのような音楽が好きなのかと知るきっかけになるのではないかと思う。
印象に残った事
何より驚いた部分はJazzの文化において薬物がとても密接に関係していることだろう。
この言葉を表すソニー・ロリンズの言葉がある。
麻薬をやらなくても立派な演奏できることを証明したいんだ。
という言葉だ。
これには差別というものも関係していたのではないかと私は思っている。現に過去やその時代に、大きな傷を受けるほどの出来事も多くあったようだ。
Jazzにおいて道を開いてきた人々が何人も薬物によって30〜40代で亡くなっている。この歴史はJazzにおいてのみなのか、その時代がそもそも薬物と密接な時代であったのかは、私のアメリカの歴史に詳しくない為判断はしかねる。しかし、少なくともJazzの世界では大きな問題となっていたのは間違いないだろう。
お気に入りのJazzアーティスト
お気に入りが増えすぎた為、一部紹介する。
○Bud Powell(バド・パウエル) ~Piano~ お気に入り曲~Keepin’ in the Groove~
○Horace Silver(ホレス・シルヴァ)~Piano~ お気に入り曲~Lonely Woman~
○Art Blakey(アート・ブレイキー)~Drum~ お気に入り曲~moanin’~
○Stan Getz(スタン・ゲッツ)~Sax~ お気に入り曲~Blue for Mary Jane~
○Cannonball Adderley(キャノンボール・アダレイ)~Sax~ お気に入り曲~Groovin’ High~
○Jimmy Smith(ジミースミス)~Electro Piano~ お気に入り曲 ~The Sermon~
etc…
〜最後に〜
この書籍読んでいてとても楽しかった。
元々私が興味のある分野であった為、すんなりと読めてしまった。そしてJazzの世界に一歩足を踏み出せたのでは無いかと思う。
日本ではよく黒人さんがルーツの音楽を尊敬の念を込めて「BlackMusic」と呼んでいることが多い。私もその名で読んでいる。この言葉には使う人に差別の意を込めている人は日本にはいないのではないだろうかと思う。
それほどBlack Musicには多くの人に聞かれ、多くの人に影響を与えている。これからも深く学びたい分野だ。