感想文

様相の物語展開「パン屋を襲う/村上春樹」を読んでの感想

パン屋を襲う

毎年夏に、意欲が減衰してしまう私。またその時期が来てしまった。しかし、ブログを続けていきたいというモチベーションはある。しかし、気力が低下してしまう。そんな状況だからこそ、この本を手にした。

1冊読んだ!というのは、モチベーションを上げてくれたり、達成感を与えてくれる。それが絵本であったり、短編の小説であったとしてもだ。そして改めて「本を読む事は面白いものだ。」と気付かされる。

この村上春樹さんのシリーズを読むのは2冊目となる。2冊目にして私が感じた事は、「発想のすごさ」であった。この作品も予想外に展開してゆくのだ。

それでは紹介してゆこう。

単行本版

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〜こんな人におすすめ〜

  •  有名作家さんの本を読みたいと思うけど、長い小説は読み切る自信がない方
  •  変わった絵本を読みたい方

この作品は絵本という分類だと思うのだが、子ども向けの絵本という雰囲気はない。しかし、子どもでも読めてしまうほどの作品となっているように思える。長い小説は自分には敷居が高く、踏み出せないなという方には打って付けの作品なのではないだろうか。

子どもから大人まで楽しめる絵本であると私は思う。

〜作品の概要〜

作品名:パン屋を襲う
著者:村上春樹
出版社:新潮社
発売日:2013年2月1日
ページ数:77ページ

〜大まかな概要〜

あまりの空腹に相棒とパン屋を襲おうと決めた主人公。彼はお金もなく、食べ物を買うお金もなかった。そこで、あるパン屋へナイフを片手に訪れた。

そこで、ナイフを隠しつつ主人にお金はないがお腹いっぱいのパンを食べたいという。そうすると予想外にパン屋の主人は、食べていいよと答えたのだ。しかし、それでは納得の行かない主人公。主人に交換案を出してくれとお願いする。

そのように展開してゆくお話だ。

〜目次〜

  1.  パン屋を襲う
  2.  再びパン屋を襲う
  3.  あとがき

 〜感想〜

 この作品のここがすごい!

  •  予想外に展開してゆく物語
  •  物語に対する絵の描写

パン屋を襲うというタイトル通り、パン屋を襲いにいくそのままの物語なのだが、その展開に驚かされる。どのような思考でそのような展開を発想できるのか驚かされるのだ。

この物語を読んでいるとなぜそうなった?と思わされる事が多くある。しかし、それが面白い具合に進んでゆのだ。このシリーズはその不思議さから、他のシリーズも読みたくなる力がある。また気軽に読めてしまう事も大きな要因だろう。読む時間で言えば30分ほどで読めてしまうのではないだろうか。

是非普段読書をしない人におすすめしたい作品だ

また、この作品に描かれている絵もこの作品の魅力だ。不思議さのある絵なのだが、うまくそこに書かれている文章を表現されているように見える。複雑さもあり神秘的のように見える絵が多いように思える

〜最後に〜

この作品は村上春樹さんのキャリアの初期に書かれた作品であり、1981年10月に早稲田文学に載った話だそうだ。だからこそ本人も「どうしてこんな変な話を思いついたのか、今となっては記憶が辿れない」と本書のあとがきに書かれている。

本人も変な話と言っているほど不思議なお話だが、なにかその作品の雰囲気面白みを感じてしまう。視覚と思考で楽しめるこの作品のシリーズを今後も私は読みたいなと思っている。

作品自体が短く、絵も挿入されている事もあり、とても敷居の低い作品となっているのは間違いないと私は思う。小学生から普段読書をしない大人まで楽しめる作品となっている。短編小説では満足できないという人にはあまり刺さらないかもしれないが、最近読書欲が低下してきていると感じている人も、この作品であれば読めてしまうだろう。

それほどのお手軽さもあり、読んだという達成感も味わえる作品だ。

是非読んでいただきたい作品として紹介させてもらう。