FACTFULNESS〜ファクトフルネス〜
〜はじめに〜
あなたはこの質問に正解できますか?
世界中の1歳時の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?
A,20%
B,50%
C,80%
この質問に対しての世界の人々の正解率は平均13%とのことであった。また日本は6%だ。しかし、このような、この作品に出てくる質問は頭が悪いため間違えてしまうのではない。人の思い込みという部分によって起きている部分が大きい。
それを教えてくれるのがこの作品だ。
読書好きな人の本棚に多く見られるこの本が気になり購入したため、読んだ感想を述べていこうと思う。
〜こんな人におすすめ〜
- 世界が現在どんな方向性に向かっているのか興味のある方へ
- メディアでは分からない正しい情報の取り入れ方を知りたい人へ
この書籍は世界を正しく見る方法を教えてくれる。そして世界全体がどのような方向に向かっているのかをデータを基に教えてくれる。
これほど自分が世界に対して無知であると同時に、メディアの情報に流されているということを知らされる書籍はなかなかないのではないだろうか。
それ程に驚く事実が多かった。そしてその驚きは、希望という光を与えてくれることだろう。世の中辛く、悲しいことばかりではないのだ。
〜作品の概要〜
○著者:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド
○出版社:日経BP社
○発売日:2019年1月11日
○ページ数:400ページ
○読み終えた時間:8時間ほど
〜著者について〜
ハンス・ロスリング(Hans Rosling, 1948年7月27日 – 2017年2月7日)は、スウェーデン・ウプサラ市出身の医師、公衆衛生学者。カロリンスカ研究所の国際保健学の教授および、スウェーデン・ストックホルムに拠点を置くギャップマインダー財団のディレクターを務めた。世界的ベストセラーとなっている『ファクトフルネス』の著者。
引用元:Wikipedia
〜大まかな概要〜
表紙にこう書いてある。
「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る方法」
これがそのまま大まかなこの作品の概要となっている。
〜目次〜
- はじめに
- イントロダンクション
- 第1章 分断本能
- 第2章 ネガティブ本能
- 第3章 直接本能
- 第4章 恐怖本能
- 第5章 過大視本能
- 第6章 パターン化本能
- 第7章 宿命本能
- 第8章 単純化本能
- 第9章 犯人探し本能
- 第10章 焦り本能
- 第11章 ファクトフルネスを実践しよう
- ファクトフルネスの大まかなルール
- おわりに
- 謝辞
- 訳者あとがき
- 付録
- 脚注
- 出典
- 著者プロフィール
- 訳者プロフィール
〜感想〜
この作品のここがすごい!
- 自分の無知による世界への偏見を、正しい方向へ導いてくれる
この作品を読むと自分がどれほど世界の見方を誤っていたのか痛感する。そして、メディアの情報にどれほど自分が影響されているのかということも分かる作品だ。
きっとこの作品を読むか読まないかで全く違う世界の見方をするのではないだろうか。特に日本での多くの人の世界の見方は、この本を読むべき立場にあるように思える。
本当に驚くことが多かった。
印象に残った言葉
- 多くの人がチンパンジーにすら勝てない
- 人は自分の思い込みに合う悪者を探そうとする
多くのチンパンジーにすら勝てない。
とてもインパクトのある言葉であるが、この書籍内では多くこの言葉が使用されている。何がチンパンジー以下なのかというと、「はじめに」に記載したような13の質問に対する、世界の人々の正答率だ。
この13の質問は3択問題となっている。
そのため、何も知らないチンパンジーが答えの数字の書かれたバナナを選ぶ確率が33%とした時、世界の人々がこのチンパンジーに勝てた質問は1つのみであったとのことであった。
先に言っておくがこれは人々を馬鹿にした書籍ではない。それだけ人々の思い込みが世界の常識となっているのだ。そしてなぜそのような事が起きているのかこの書籍内に書かれているのだ。
もう一つ印象に残った言葉として
「人は自分の思い込みに合う悪者を探そうとする」
という言葉だ。
これは「第9章 犯人探し本能」にて書かれた言葉だ。
この言葉を見た時なるほどなと思った。そして納得させられた。
犯人探し本能とは
なにか悪い事が起きたとき、単純明快な理由を見つけたくなる傾向が、犯人探し本能だ。
これは誰もが持つものであり、なかなか抑えが効かぬ本能である。その中で、でたこの言葉はとても私の胸に響いた。著者の実体験もこの書籍ないに書かれており、その実例も納得させられる内容であった。この言葉は少なくとも私の中で確信をつかれた言葉であった。
考えさせられた事
なによりも自身の世界の見方がいかに間違っていたのかという事を痛感し、考えさせられた事であろう。
なぜここまで無知なのか。なぜここまで私のイメージしていた世界はどちらかに偏っているのか。そんな事をずっと考えさせられた書籍だ。
そして、その答えもこの書籍に書かれている。
〜最後に〜
とても勉強させられた書籍であった。
しかし、それだけでなく、とても読みやすくスラスラと読めてしまう面白さがある。それと同時にあなたの世界の見方を変えてくれる書籍だ。
この書籍を買った理由に、読書好きの本棚の写真に多くこの書籍が収まっていた。それが気になり購入した作品だ。
この作品が多くの人に広がると良いと思う。そうすることで明るく希望のある未来になっていくように思える。
是非一読していただきたい作品だ。