感想文

不思議な世界観に飲み込まれる 「図書館奇譚/村上春樹」を読んでの感想

図書館奇譚

 

村上春樹さんの作品をずっと読んでみたいと思っていた。世界的にも活躍されている作家さんであり、本を読まない人でも聞いたことがある人は多いのでは無いだろうか。

そんな村上春樹さんの作品を読まずにここまで来ていた。

有名な作家さんだから読みたいというのも1つの理由であるが、世界的に読まれるものを書いている作品と聞くと、本を読む人は興味をそそられて当然だろうと思う。

それもひとつの本を選択する時の指標な気がしている。

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〜こんな人におすすめ〜

  •  不思議な世界観を味わいたい方へ

おすすめ理由としては正直弱いと思う。しかし、きっとこの作品を初めて読む人はこの感想が出てくるのでは無いだろうかと思う。

1発目でこの作品のメッセージや意図に辿り着ける人は、相当何度も何度も同じ文章を読み込んだ上で想像し、読書ができている人だと思う。

私にはまだ不思議な世界観という感想が最も頭に残る部分であった。しかし、ストーリー事態が不思議で解読困難という訳ではなく、表現されている世界観が見たこともないダークファンタジーというような印象を強く受けた

そのような作品を読みたいという方は是非読んでいただきたい。

〜作品の概要〜

作品名:図書館奇譚(としょかんきたん)
著者:村上春樹
○イラストレーション:カット・メンシック
出版社:新潮社
発売日:2014年11月27日
ページ数:75ページ
○読み終えた時間:1時間半

〜著者について〜

村上春樹

日本の小説家、文学翻訳家。

京都府京都市伏見区に生まれ、兵庫県西宮市・芦屋市に育つ。早稲田大学在学中にジャズ喫茶を開く。1979年、『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1987年発表の『ノルウェイの森』は2009年時点で上下巻1000万部を売るベストセラーとなり、これをきっかけに村上春樹ブームが起きる。その他の主な作品に『羊をめぐる冒険』、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、『ねじまき鳥クロニクル』、『海辺のカフカ』、『1Q84』などがある。

日本国外でも人気が高く、柴田元幸は村上を現代アメリカでも大きな影響力をもつ作家の一人と評している。2006年、フランツ・カフカ賞をアジア圏で初めて受賞し、以後日本の作家の中でノーベル文学賞の最有力候補と見なされている[注 2]。 精力的に、フィッツジェラルドやチャンドラー作品などを翻訳。また、随筆・紀行文・ノンフィクション等も多く出版している。

引用:Wikipedia

〜大まかな概要〜

図書館に本を返却しに行った主人公。返却し終えた主人公は新しい本を借りようとカウンターにいる女性へ話をかけた。すると彼女は目を見ずに「階段を降りて右。107号室」と手短に言った。そこへ向かうとそこに禿げた老人が。借りたい本を告げると、貸し出し禁止の本を老人は主人公に渡し、読書をする為の部屋へ案内する。そこから不思議な世界が始まってゆく…

 〜感想〜

 この作品のここがすごい!

  •  たったの75ページの作品に満足してしまうほどの読み応え

この作品はたった75ページで完結している。しかし読み応えがある。

不思議な世界観だからこそ多くのことを想像させられるということもあるだろう。

更に設定も面白く風変わりであり、世界観に引き込まれてゆくため、読み終えるのはあっという間であり、難しい話ではないにも関わらず、もう一度読まなければならないと思わされる複雑さがある。

そんな印象を受けた作品だ。この作品で村上春樹さんの雰囲気全ては分からないだろうが、とても興味を惹きつけられる文章を書く作家さんであると思わされた。

 印象に残ったもの

この作品、いくつかのページにそのページの情景や登場人物を表すイラストが載せられている。

半分のページはイラスト・半分のページが文章といった具合に、書かれているのだ。

そのイラストも独特でこの作品のストーリーにあった不思議なタッチのイラストが載せられている。読んで楽しめ、見て楽しめ、想像して楽しめる読書の面白さが詰まった作品だ

〜最後に〜

初めて村上春樹さんの作品を読んでみた。なぜこの作品なのかと聞かれたら、図書館にあった村上春樹さんの作品の中で最も本が薄かったからである。(笑)

こんな理由で選んだ作品であるが、この作品が村上春樹さんの1作目で良かった。

分厚い本というのは読み終えた後の達成感に気持ちよさがあるが、その反動も大きく、数日読書休憩しようと思ったり、途中で挫折してしまうケースもある。

その反面このようなページ数の少ない作品は、初めて読む作者さんの1作品目としては、1〜2時間で読めてしまうため、挫折しづらくその作品が楽しめれば次の作品を読みたいという良い循環を生み出せる。

だからこそ、この作品が1作品目で良かったということだ。

普段から読書をあまりしない人はこのような作品から入るとすぐに読むということに慣れてくるのではないだろうか。

是非この作品を読んでみていただきたい。