感想文

「ミサコ、三十八歳/群ようこ」を読んでの感想

ミサコ、三十八歳

 

〜ひとこと〜

「ふっと息抜きさせてくれた小説」

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〜こんな人におすすめ〜

 

  • ストレスが溜まった人へ
  • 読書を難しく考えすぎてしまう人

この作品主人公はとても人間味があり、普段皆が溜め込んでしまうであろうストレスや周囲からのプレッシャーなどを包み隠さず表現している作品だ。

しかし、そこには刺々しさはなく、とても読みやすい。彼女の言動や思考に共感がいく人は、きっとなにか最後にはスッキリしたような読みごごちになっているだろうと思う。

読書を堅苦しいものと思わず、娯楽やストレス解消としても有効的なのだなと改めて思わされた作品であったため、上記のような人におすすめをしたい。

〜作品の概要〜

作品名:ミサコ、三十八歳
著者:群 ようこ
出版社:ハルキ文庫
発売日:2007年5月1日
ページ数:203ページ
○読み終えた時間:3時間

2007年とすでに14年前の作品である。この作品は、前に働いていたバイト先で年上の女性先輩が読んでいた作品。読み終えると読書をすると言っていた私にそのまま「あげるよ」と言って頂いたものである。表紙をとタイトルを見るだけでは、全く想像出来ないなと思った事を覚えている。

著者について

 著者名:群 ようこ(むれようこ)1954年12月5日生

日本の作家。随筆家。独身。

軽妙な語り口の文体で、主に女性からの支持を受けている。

※wikipedia引用

大まかな概要

 小説誌の副編集長として働く主人公の女性「ミサコ」。

 彼女は仕事を中心として忙しく働いていた。結婚はしておらず、自宅にいる愛猫の「あーちゃん」に毎日癒されている。
職場のストレスや父、妹への心配事に対して主人公の想いや言動が見え、とても私たちの日常に寄り添っているような作品であった

目次

この作品に目次はない。「1、2、3…」と数字が書かれているのみである。

感想

 この作品のここがすごい!

主人公の人間味あふれる性格

ここが面白い1つの点だ。

仕事の出来ないアルバイトに対するイライラや、やめて欲しいという感情が包み隠さず表現されており、更に時には感情が振り切れてしまい口に出てしまう場面もある。後に、「もう少し冷静にならなければ」などの後悔や反省をしているシーンが特に身近さ人間味という部分を強く感じさせられたのだと思う。

彼女の魅力溢れる性格に、著者の紹介に挙げた「主に女性に支持がある」という紹介に、納得がいった。

 考えさせられた事

これは私がこの作品を読むにあたって、しっかりと読めていないのかもしれない。

この作品についての私個人的な見解は「読者への問題提起や社会風刺が書かれている」という物ではなく、「ヒューマンドラマのように人々を楽しませ、共感や同意により主人公の行動はストレスを和らげている。そんな作品であったように感じる。

肩肘張らず、娯楽としてこの作品、読書を楽しんでください。というような雰囲気を私は感じた。

 最後に

正直な話、全く期待していなかった。バイト先の先輩に貰ったものの、かなり貰ってから時間が経ってしまった。

なぜか?一言でいうと「表紙があまり好みでない」という理由だ。(笑)
いつも書店に行くと、表紙から入り、タイトルを確認。その後帯の情報・裏表紙のあらすじを確認し、購入している。

私がもし書店に行ってこの作品があったとしてもきっと、購入には至らなかっただろう。しかし、今回拝読させて頂き、こんな小説もあるのだと新しい発見をさせられた。

そんなこの作品は、とても心温まる作品であった。

最近は特に「この著者は何を私たち読者に伝えたいのだろう?」や「この文章はどういう意図で書かれているのだろう?」など、どの作品も気合を入れ、読書をしていた。特に辛いとは思っていなかったが、この作品を読んだ事により更に肩の荷が降りたように感じる。

読書は楽しい物だ。「読書=勉強」だけではなく、「読書=娯楽」という部分もある事を再び思い出させてくれた作品である。だからこそ今のタイミングで読めてよかった作品であった。

娯楽として読む作品にも、アニメやドラマと違った魅力がある。これから読書を始めたいという方々も「学ぼう」と焦らず、楽しもうといったフランクな気持ちで読書を始めるのも良いかもしれない。

何も学ばずとも、1冊を全て読み切ったという実績は、あなたの今後の読書を後押ししてくれる自身になると私は思います。

私自身も改めて読書とは、楽しいものだと再認識させられた作品であった。