頑張らないジャズの聴き方
相変わらずJazzの世界がどのようなものなのか追いかけている。Jazzというジャンルの音楽は「難しい音楽」という印象を多くの人が持っているジャンルであると思う。
ボーカルのない曲、決まりの少ないスタイルの音楽、アドリブによって聴き心地の変化があるジャンルなど難しいと思われる要因は多々あるだろう。特に多くの人が聞いている現代の音楽は歌ものが大半であり、Jazzではボーカルがいても英語の歌詞が多いため、歌詞に共感したりという部分を音楽で楽しんでいる人には特に入りづらいジャンルとなっているだろう。
そんな中でも興味があるという人はこの書籍を読んでいただきたい。
あなたの新しい音楽の世界を1歩前へ進めてくれることだろう。
〜こんな人におすすめ〜
人によって興味がある・ないの幅が大きいであろうと思い、星3.5にさせて頂いた。
- 興味はあるけど何から聴いていいか分からない人
- LIVEに行きたいけど敷居が高くて行きづらいという方
〜作品の概要〜
○著者:富澤えいち
○出版社:yamaha music media corporation
○発売日:2012年2月23日
○ページ数:153ページ
〜著者について〜
富澤えいち
この作品の著者はwikiに載っていなかったが、調べてみるとJazzを中心にBlogを投稿している方であった。
彼のことについて気になる方はこちらのURLからどうぞ!
私もこれから読んでいこうと思う。
〜大まかな概要〜
この作品は今まで読んできたJazzの歴史が語られているだけでなく、多くの部分はJazzが「難しい」という人に対して、なぜ難しいのか、そしてそれに対するアドバイスが綴られている書籍である。
Jazzに対する敷居の高さを取り払ってくれるそんな内容となっている。
〜目次〜
本書の使い方
○ジャズを自分のものにする
A,「いいな!」を「好き!」に変える
B,いろいろな種類があるからといって怖がらないで!
C,まずは聞くための基盤を作ろう
D,人数によってジャズの楽しみ方が変わる
F,売春街で咲いたのが最初のジャズの”花”
G,ギャングが暗躍する歓楽街のBGMにはジャズが合う
H,”真夜中”に始まった憂さ晴らしのジャズ
I,”裏”の密かな楽しみが”表”と入れ替わった
J,時代に合わせてバラバラになったり再構築したり
K,ロックの人気に圧倒されたジャズの起死回生策
L,”昔の花”を取り戻すためのジャズの見直し作業
M,眠っていた「ジャズ遺産」をDJたちが掘り起こした
N,もはやジャズは「アメリカの音楽」とは呼べなくなった
O,ジャズの”イトコ”はどう扱えばいいのか
P,個性が際立つジャズ・ヴォーカルは大穴・本命⁉︎
Q,「アドリブ=でたらめ」を解消する
R,「生演奏の現場」にいざ突入!
S,ライブ・デビューをはばむ”敷居の高さ”とは?
T,めざせ!ライブハウス遣いの達人
U,やっかいな常連に惑わされないで!
V,自分だけの”神ジャズ”を探すために
W,”神ジャズ”リストの取り扱い方
X,インターネットを活用してリスト作りを充実させよう
Y,実例で見てみる”神ジャズ”リストの変換
Z,「ジャズを楽しむ」ことにゴール(到達点)はあるのか?
○さらにジャズを深める
あとがき
参考文献
おすすめ曲りリスト
〜感想〜
この作品のここがすごい!
- 踏み出すには重いjazzへの1歩を踏み出させてくれる内容の書籍
興味はあるけど、カフェで流れているJazzしか聞いたことない。どんなアーティストがいるかも分からない。という方はこの書籍を数ページ読むだけでもJazzの世界へ1歩踏み出したことになるだろう。またメジャーなアーティストもある程度記されているため、YouTubeにて確認もできてしまう。
またJazzに1歩を踏み出し、少し知識が身についたなと思うと次は、生演奏を聴きたいと思うのが音楽の力である。音源やネットで聴く音楽と、生でLIVEとして聴く音楽には天と地の差があると私は思っている。
しかし、歌が好きでアーティストのLIVEに行くのと、JazzのLIVEに行くというのはどこか敷居の高さが違うように思える。そんな人にもこの書籍にはアドバイスが書かれている。
そこまで踏まえた上でその他のJazzの楽しみ方も多く紹介してくれており、興味があるという初心者から、次のステップに進みたいと思う人まで多くの人が学びや楽しめる書籍であると思う。
〜最後に〜
Jazzには複雑な要素もある。そしてJazzと一括りに記載しているが、その中にも多くのジャンルがある。それは時代に応じたJazzの変化であり、歴史の足跡であった。
その変化にはJazzの世界に留まらず、多くのジャンルの音楽に影響を与え続けている。そんな音楽なのだ。
それを踏まえた上で音楽とは、
Jazzが影響を与えるばかりでなく、ロックがJazzに影響を与えたり、クラシックと繋がる部分があったりなど、時代の流れとともに影響を与え、影響を受けて音楽は進化し続けてきているのだなと改めて思わされた。
更にそう考えていくとジャンル分けに意味がないのではないかと思えてきた。
音楽について知識がない人にとっては、とっかかりとしてジャンルが分けられているというのは分かりやすく、好きを見つける指標として良いかもしれない。
しかし、少しでも情報を知識として知り始めると、そのジャンル分けが雑音となってしまう。「このジャンルに分けられている曲だから聞かない」など、その指標が音楽選びの邪魔をしてしまう可能性があるのではないかと思った。
もしかしたら、今まで興味のなかったジャンルにあなたの心を動かす曲が眠っているかもしれません。
そのひとつの道の開拓にJazzはどうでしょうか?
また新しい音楽の楽しみが生まれるかもしれませんよ!