感想文

「コーヒーが冷めないうちに等3シリーズ/川口俊和」を読んで

少し雑談

元々、「コーヒーが冷めないうちに」は読了していましたが、書店に入ると「コーヒーが冷めないうちに」の他に2シリーズ出ている事を知り、最初から再読した。まだ読んだことのない方は①「コーヒーが冷めないうちに」②「この嘘がばれないうちに」③「思い出が消えないうちに」の順番で読む事をお勧めします。

 

「コーヒーが冷めないうちに」「この嘘がバレないうちに」「思い出が消えないうちに」

 

感想

さて、この作品は未来に行け・過去に戻れる喫茶店が舞台となり、過去に戻ったとしても今自分のいる時間軸の現実は変わらず、未来に行ったとしてもそれは同様である。しかも過去に戻れる時間はコーヒーが冷めるまでの時間。

あなたはこれを聞いて、それでも未来に行ったり過去に戻りたいと思いますか?

この作品では人が生きていく中で必ずと言って良いほど感じた事があるであろう「後悔」という部分に大きくフォーカスが当たっているように感じた。

しかし、前述した通り過去に戻ったとしてもその後悔の原因となったものは、現実でも戻ってくる事はないのだ。そんな中で繰り広げられる人間ドラマは「切なさ」「悲しみ」「怒り」「苦しみ」などのネガティブとされる感情が露骨に見えてくる。後悔とはきっとそれだけ大きな影響を人に与えるのだとこの時思った。

そんな中で過去に戻った人・未来へ行った人は涙を流し、晴れやかな顔をしてその店を出ていくのだ。現実は何も変わっていないというのにである。なぜ?と思う人もいるであろう。それはこの作品読んで確認頂きたい。

これを拝読し私が深く考えたこととして、後悔と言うものに意味があるのかと言うものである。

人は必ず死を迎える。人の時間は有限であると言うことである。後悔というものは大きな力を持ち私達の先へ進む歩みを遅くし、時に止める。その時間はさらに後悔を生む結果になるのではないか?時間が戻る事は無いのだ。そう考えた。

自分の行いに対して後悔したのであればそれは反省し次に進むしかないと私は考える。後悔を残しまた同じ過ちを繰り返す事こそが愚行である。後悔で止まってはいけないのだ。それこそ意味のない後悔であると私は思った。

この私の見解は、とても私個人に寄った考え方だ。後悔には感情が重くのしかかる。このような正論めかしい事を語ったとしてもそう簡単に進めるものではない人もいるだろう。これは私がこうでありたいという意思表示である。

過去に未来に行ける喫茶店。しかし、自分が戻ってくる現実は変わらない。それでは過去に戻る人・未来へ行く人は何が変化するのか?

私が考えていた事はこの3シリーズの3冊目

「思い出が消えないうちに」の最後に記載されていました。だからあえてここには記載しません

現実は変わらない。じゃあ時間軸を移動して何が変わるのか?あたなの目で確かめて下さい。

美しい言葉の発見とともに、泣ける小説です。