〜少しの雑談〜
ずっとこの本が並んでいる棚を見ており、気にはなっていた。一番最初に買おうと思っていたのだが、前にインスタに載せた
「この恋は世界で一番美しい雨」
「コーヒーが冷めないうちに」
「僕はイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー」
この三作品がどうしても目を惹き今回となった。また、音楽を題材とした作品を数作品読んでいたのも大きな要因だとは思っている。
〜大まかな概要を紹介〜
イタリアのオーケストラコンサートでフルートに魅せられた主人公。フルートを始めオーケストラに入ることが夢となる。そんな中で生まれた苦悩は「才能」と「クラシック音楽に対する向き合い方」。彼と彼の奏でる音がどのように成長していくのかという小説に思えた。
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〜感想〜
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アドリブ
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譜面がしっかりと記載されているクラシック音楽。譜面通りに弾くというのはクラシック音楽にとって1つの通過点なのではないかと思わされた。
譜面通りに弾けるという技術の上に表現者として自分を表現し人を魅了しなければならないのだ。それはとにかくハードルが高いものだと思う。
そこに悩む主人公の気持ちは、私が体験した事のない葛藤に似た感情だったのではないかと思う。音楽をどう続けるのか楽しむのか?というものに繋がる物だと感じた。
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もう一つの主人公が悩んでいた「才能」という部分。才能というのは言葉のその後にはある。ない。という言葉が必ずついてくる。
この作品の主人公は自分の才能を信じることができない。覚悟が出来ない。と言っていた。
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この才能があるのか、ないのかという言葉は結局のところ他人からの評価でしかないのでは無いかと思う。
自分が出来る事に対して他人が出来たところですごい才能を持っていると思う人はいないだろう。私はその人の生い立ちやその後の経験が、その人の俗に言う「才能」を作っているのだと考えている。
生まれ持った才能というのは両親の遺伝子と家庭・周囲の環境くらいの物では無いかと思う。才能があると周りにもてはやされるのは若い内だけなのだ。
他人の評価として才能がある。と言われることがあったとしても自分で才能があると思う事はスタートを切るにあたっては、自信となるかもしれないが、その後は奢りと挫折に繋がるものになるのではないかと私は思う。
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才能があるかどうかではなく「やる」か「やらないか」なのだと才能を考える際に私が感じた事であった。
皆「やる」を選択し覚悟した上で努力をしているのだ。
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この作品の帯にはこのように書かれている
「音を 自由に 楽しめ 心のおもむくままに」
この作品が伝えたい事はこの言葉全てだったのではないかと思う。
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これまで数作品読んできた音楽のクラシックが題材となった小説。どの小説も綺麗な音が聞こえてきそうな作品でした!
その中でコンクールで競うという描写が描かれているため読み心地としてもスポーツ漫画を読んでいるような感覚となりました。
音で表現者として、コンクール参加者と戦っているのだ。
いつかクラシック音楽のコンサートに行ってみたいものだ。