余命3000文字
インスタにて綺麗に画像と本の紹介をされている「くう kuu_booklover」さんの投稿を見て読みたいと思った作品。本を読み投稿していると、同じ感想を挙げている投稿者を知り、読みたくなる本が増えてゆくのも読書を続ける1つの秘訣かもしれない。多くの素敵な投稿をあげたらっしゃる方も多いため是非一度インスタでもTwitterでも検索してみてはどうだろうか。
そしてこの作品。タイトルに惹かれた。タイトルを見て購入したと言っても過言ではない。(笑)それほどどういうことか気になったタイトルであった。
〜こんな人におすすめ〜
- 長い物語、文章を読むのが苦手な方へ
- 面白い話を読みたい方へ
この作品は短編小説がいくつも載った作品のため、長い文章が苦手という方には適した作品であろう。1作品読んでも10分以下で、はやい人なら帯通り5分以内で読めてしまうのではないだろうか。
数時間、数十分読書をすると、眠くなるという方はこのような作品がおすすめだ。
また「面白い話を読みたい方へ」と挙げたのは、この作品を読んでいた時あるテレビ番組を思い出した。「世にも奇妙な物語」だ。とても不思議な世界観で物語が書かれている。そして物語自体うまいなぁ〜という印象を受けるものが多かったように思える。
だからこそ、面白い話を読みたいという方はこの作品をおすすめする。
〜作品の概要〜
○著者:村崎羯諦(むらさきぎゃてい)
○出版社:小学館文庫
○発売日:2020年12月8日
○ページ数:274ページ
〜大まかな概要〜
26もの短編小説で構成されており、ひとつひとつ全く違った内容となっている。その中でタイトルにもなっている余命3000文字の大まかな概要を紹介しようと思う。
「あなたの余命は3000文字です。」と医者に宣告された主人公。とまどいを隠せずどういう意味か聞いたが、そのままの意味と説明される。彼がどのように余命3000文字を生きるのか。
そのような内容だ。
〜感想〜
この作品のここがすごい!
- ひとつひとつの物語の設定がしっかりしていて、物語のタイトルの回収の仕方が面白い。
とにかくこの作品を読んでいると不思議な世界に翻弄される。初めはどういう事か困惑する人も多いかもしれない。しかし、物語を読んでいき、少しづつ世界観が理解できてくるにつれ、一気に想像力の世界が広がる。
アニメの一節のような世界観があれば、現実を皮肉に表現した世界観もあり、とても脳の働く作品だ。何よりその物語の終わり方が納得させられ終わるため、モヤモヤもせず、気持ちよく読み切ることができる。
考えさせられた事
短編小説の楽しみ方が個人的に難しかったということだろうか。
もちろん多くの物語を読むことができ、想像力が膨らまされるという大きな楽しむ要因はあるだろう。
しかし、私自身短編小説を読んでこなかった事に加え、これまでページ数や文章が多い作品でも、物語のある話に関しては感情移入したり、話に出てきた内容について考えていたりと多くのことを楽しめるのだが、短編小説はすぐに1つの物語が終わってしまうため、感情移入しずらく、情報が少ないため考えることが難しい場面もある。
だからこそ、短編小説はより想像力が必要なのであろうと思った。
1つの物語を読み、1文1文から想像を膨らませ、このような内容・意味なのではないだろうかと仮定することが面白い部分なのではないだろうかと思った。
そのようにしてゆくと、その理解し難い世界観も鮮明になり、またさらに広がってゆく。想像力は広がれば広がるほど、読書にて学ぶことや、楽しむ要因も広がってゆくことだろう。
この作品もう少し読み込む必要があるなと私自身は思った。
〜最後に〜
私は本を買う際、タイトルや帯、表紙などで買うことが多いため、あまり内容を知らずに買ってしまう。そのため、読んでみるまで、短編小説かそうでないかなどをあまり理解していない事も多い。
この作品もタイトルを見て、この作品読みたいと思ったため短編小説と知らずに読み始めた。普段なら後悔するところだが、この作品は物語自体とても面白かった。だからこそ読み切れたと思う。
この作品を通して短編小説をどう読むか私の中でひとつの答えが出た。またこの作品を再読しようと思う。その時はまたこの作品の魅力をより伝えたいと思う。